木曜日, 12月 29, 2005

音楽エッセー(2)

Quality of John Lewis's Music

 私は、最初のうちは彼(の音楽)が嫌いだった。というより理解できていなかった。なぜなら、ソウル・ミュージックやブラッ ク・ミュージック(サム&デイブのような)から上流に遡るようにJAZZファンになったものとしては、彼の作る音楽が漂白されたように白すぎ、魂が宿っていない気がした。 (相方のミルト・ジャクソンの暴虐さに比べても)いくらかの軽薄感すらあった。しかし、知れば知るほど、音楽にのめりこめばそうした聴き方が一面的に過ぎ ないのがよく分かる。

 その底辺に宿る、そこはかとないブルース感覚は、彼にしか出せないと思う。彼のような音楽家、この個性のなくなりつつある世の中で、はっきりとした自分 らしい音楽を作り出したのは、やはりなんといっても立派である。その控えめな(内気な少年のような)ブルージーさを多くの人に知ってもらいたい。

 でも、彼自身もこの地球上で新たな音楽を聴かせてくれないと思うと非常に残念である。また個性ある者が消えたのである。

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