火曜日, 1月 24, 2006

スタンダード曲(22)

All Of Me

 そうちょっとだけじゃなく、私のこころを奪ったなら、…

 これも誰もが認めるレスター・ヤングのアップ・テンポのバージョンがベストです。

 レスター・ヤングの人生。およそ50年ほど。若い頃、カウント・ベイシー楽団に在籍。コールマン・ホーキンスなどの豪快な奏法と比較される。かれの繊細で洗練された音色は過去になかったような気がする。ニューオリンズジャズの源流からはじまり、もしジャズという船が下流へと向かう途中で、ごつごつした岩を乗り越え大河へと移行して、こういう音楽にたどり着くと誰か予測できただろう か?

 その後、軍隊に入り、人種差別などを含め、ぼこぼこにされ、演奏自体も過去のきらめきが減少してしまった、とのこと。幾つかの本の受け売りです。

 彼の音楽の布石。いくつかの違った後継者。隔世遺伝のように白人のテナーマンに継承されていく。幾分、こじんまりとした形で。
 しかし、追随を許さない音楽。簡単には使いたくないが、天才である彼の人生からなにも奪われないでほしかった。

 

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