日曜日, 1月 22, 2006

豆腐より固くて白いもの(4)

 「宙ぶらりんの男」

 ソール・ベローというアメリカの作家。一度、読んだ後に処分してしまったが、再読したいので、古本屋を探し、やっと見つけた。(絶版です)

 まっとうに生きようとする人間の悲哀を感じます。主人公は軍隊に入りたいが、手続きが遅れ、まさに社会に属していないような存在になる。その日々の鬱々とした体験を、ややぶっきらぼうな文体で(ぶざまな人生の一断面を)語っていきます。

 こういう作品を読むと、(運命の皮肉)経済的に無謀な形で成功しようとか、株価とかM&Aとか、まったく別世界に起こっていること。普通の人生でもそう かもしれないが、意識的に、金銭的に恵まれなくても関係ないや、という気持ちになる。ちょっと、未練は残りますが、ウォール街や兜町が人間のすべてではな いしね。時間があるひとは是非。

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