「真夜中の告白」
デュアメルというフランスの作家。ある会社員がふとした上司への行動(奇妙な)で職を追われ、その後の彼の生活が起伏もなしに語られていく。
主人公はどこにでもいそうだが、やはりどこにもみつかりそうもない不思議な人物です。また出てくる人は、小心で人が良くて憎めない存在たちばかりです。 とくに母親は、その息子に何事も強要するわけではなく、淡々と彼との日常を認めていきます。彼も母も、自分の幸福ばかりを追求するでもなく、かといって大 幅に羽目をはずすでもなく、ドラマティックな展開とは程遠いです。
こうした人物が街角のどこかに、満員電車のあなたの隣に、目立つこともなくいるかもしれません。スターにはなれない気質でしょうが、60億の一員と認めないわけにはいきません。
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