木曜日, 1月 19, 2006

スタンダード曲(11)

But Not For Me

  愛の唄って、歌われてるみたいだけど、僕の為じゃないしね。
 幸運の星って、どこかで瞬いているみたいだけど、当然のごとく、僕のためにではないからね。
 そんな歌詞です。

 チェット・ベイカーのなよっとしたトランペットとヴォーカルで聴くと、たまりません。
 往々にして、人間って、ついそんな感情にとり付かれるような気持ちになる時ありますよ。

  このチェット・ベイカーの映画があります。題名は「Let's Get Lost」だったような気がします。紅顔の美青年というような表現で表すにふさわしいヤング・チェットが、歳月って恐ろしい。スクリーンには年老いてし まったトランペッターが登場します。彼の音楽もヴォーカルも円熟というような音楽ではありません。青年の若いこころの音楽です。そして、若さには疑念がつ きまといます。しかし、残っている音は、いつまでもみずみずしいものです。

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