日曜日, 1月 15, 2006

豆腐より固くて白いもの(1)

 歪んだ書評です。個人的に本という形体を、無限に愛しています。

 フランツ・カフカの「変身」について触れます。

 いきなり虫になって無視されるようなストーリーです。

 この内容が現在では、ニートや引きこもりの人たちについて書かれているような気がします。家から急に出られなくなり、家族から疎んじられていく過程というふうに読めば、リアルに迫ってきます。だからといって何ひとつ解決されるわけではありませんが。

 カフカという人自体、あまり世間的に成功したわけではありません。会社員としてせっせと働き、余暇として小説を書いたような人とされています。余暇とし ては、あまりにも立派すぎる作品群です。電車の中で華美な女子高生がカバーもせずに読んでいたのを見た時は、まさに驚きました。こう考えると、東洋の片隅 でも読まれれば、成功中の成功と言えるのでしょうね。

 男性更年期という事象もありますし、いくらか身につまされます。

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